カオハガン島オフィシャルサイト

\カオハガン島から、待望の医師が誕生しました/

長い年月かけてサポートしてきたカオハガンハウスの奨学生、アルシェル・グディアが、このたび医師免許を取得いたしました。

この挑戦は、カオハガン島の未来を想い描いた崎山さんの夢から始まりました。

島の子どもたちが学び、将来は自らの地域を支える存在となる―その願いを受け継ぎ、アルシェルは島の期待を背負いながら歩み続けてきました。

2011年7月、助産師を目指し、レイテ島パロ市にあるフィリピン国立大学医学部レイテ校(UPM-SHS)に進学。この学校は、医師や看護師が不足している過疎地・辺境地の地域医療を支える人材を育成することを目的とした、非常に特徴的な教育機関です。

出身地域からの推薦を受けた学生が奨学金で学び、助産師、看護師、そして医師へと段階的に資格を取得していく「階段式保健・医学修学システム」を採用しています。教室での学びに加え、地域に出て実践を重ねることで、卒業後は自らの地域に戻り医療に貢献することが期待されており、その取り組みは日本や海外でも高く評価されています。

とはいえ、アルシェルにとって、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。ビサヤ語も通じない環境での生活から始まり、文化や言葉の違いに戸惑いながらも、一歩ずつ前に進んできました。

また、看護師国家試験に一度は不合格となるという挫折も経験しましたが、それでもあきらめることなく挑戦を続けました。そして、助産師、看護師と資格を重ね、さらに保健省からも奨学金を得て医学の道へ進み、約15年にわたる努力の末、2026年、ついに医師としての資格を取得しました。

この成果は、本人の努力はもちろんのこと、これまで長年にわたり支えてくださった皆さま一人ひとりのご支援のおかげです。心より感謝申し上げます。

今後、アルシェルは医師としてカオハガン島をはじめ、地域の医療に貢献していくことが期待されます。カオハガン島、そしてフィリピンの地域にとって大きな希望となるこの歩みを、引き続き温かく見守っていただけますと幸いです。

彼女のこれまでの歩みを、アルシェルからの手紙とともに、ご紹介させていただきます。

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10年以上にわたるわたしの歩みは、2011年、地域医療の道を選んだことから始まりました。

2014年に助産師資格を取得し、その後も夢を追い続けました。2017年には看護学士号を取得し、正看護師となりましたが、わたしの夢はそこで終わりではありませんでした。

医師になるために必要なNMAT試験。最初は不合格でした。悔しさと落胆を味わいながらも、わたしは挑戦をやめませんでした。

何度も挑み続け、ようやく必要なスコアを獲得。しかしその直後、2019年にパンデミックが発生し、医学部への入学は中止となりました。

それでも、立ち止まることはありませんでした。

パンデミックの中、地域看護師として働き続けました。恐怖や不安、苦しみと向き合う日々の中で、「生きる意味」を見つめながら、家族を支えるために働き続けました。

そして2021年、ついに医学部が再開され、入学の機会を得ることができました。

眠れない夜、うつとの静かな闘い、家族と過ごせない時間、遠く離れた故郷への想い。体調を崩しても頼れる人がいない孤独、涙しか出ない夜。

何度も、諦めそうになりました。

それでも歩み続けたのは、自分の夢だけでなく、わたしを信じてくれた人々の希望を背負っていたからです。

人々に寄り添い、癒し、恩返しができる存在になりたい。その想いが、わたしをここまで導いてくれました。

この場所にたどり着けたのは、決してわたし一人の力ではありません。

崎山克彦さん率いるカオハガンハウス、佐藤千咲さん、そして日系コミュニティの皆さま。皆さまの寛大さと信頼、そしてあたたかな支えが、どんな困難な時もわたしを前へと進ませてくれました。

そのことを、わたしは決して忘れません。

心から感謝申し上げます。

いただいた機会に報いるため、最も助けを必要としている人々のために尽くしていくことを誓います。

皆さまのこれからの歩みに、神の豊かな祝福がありますように。

Domo Arigatou Gozaimasu

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苦しみと向き合いながら積み重ねてきた学びは、彼女の人生にとってかけがえのない宝物となりました。

アルシェルは今後、保健省奨学生として、医療が十分に行き届いていない地域へ派遣され、3年間の勤務を通して社会に貢献していく予定です。配属先は現時点では未定ですが、セブまたはレイテ地域になる見込みです。

体調を崩したとき、気軽に相談できる医師が身近にいること。それは島の人々にとって、何よりも大きな安心につながります。

カオハガン島にとって大きな希望となる、医師アルシェル先生の誕生を、心よりお祝いします。

そして、これまで支えてくださった皆さま、改めまして、深く感謝申し上げます。

ありがとうございます。