2017年6月1日、崎山克彦が、カオハガン島の運営実務から引退しました。東田充弘、エラミル嘉恵、杉浦佑子の三人が、その後の運営を、責任を持って引き継ぎます。

私、崎山克彦は、1987年に、国際出版という、一つの有意義な仕事を終えました。その直後に、熱帯珊瑚礁の島「カオハガン島」に偶然に出会ってから既に30年。今年の誕生日、2017年の6月1日に、82歳を迎えました。

 カオハガンの大自然に魅せられて、そこで、ゆっくり、のんびりしようと、暮らし始めました。当時、330人いた島民たちは、ほぼ「自給自足」の、収入は少ないが、ほんとうに幸せを感じながらの暮らしをしていたのです。そして、たくさんの方たちのご支援をいただきながら、島民たちの暮らしに必要なこと、教育や、医療の支援を始め、また、良いかたちでの、地元に立脚した収入の道を考え始めました。
 そんなことをゆっくりと始めて、30年、皆様のご支援のおかげで、今、その結果がしっかりと実ってきているのを感じています。とても、うれしく、満足をしています。

 80歳を超えても、カオハガンの自然の清らかさのせいか、病気をほとんどしない、健康な暮らしを送っております。しかし、同時に、物忘れなどを感じ始めてもいます。そろそろ、自分が意義を感じてやってきた現場を離れて、他の方にお任せをするべきではないか。そう考えて引退を決めました。
幸いなことに、東田充弘、エラミル嘉恵、杉浦佑子さんの三人の、カオハガンと既に深い関係をもたれている方々が、後任を引き受けてくださることになりました。
引退後は、この三人にすべてをお任せいたしますが、将来カオハガンをどんなコミュニティにするのかについての「ビジョン」、長期の目的を、共有しておかなければと、皆で考えました。
下記が、その「ビジョン」です。

これからの近未来に向かって、カオハガンをどのような島にしようか・・・  その、「ビジョン」です

1  カオハガンの、ほとんど人の手が入っていない、美しい、清浄な「自然」を、そのままに保ちます。

2  カオハガンの島民たちは、ほんとうに幸せに暮らしています。
 それは、「自然」からたくさんの恵みを直接にいただき、それに感謝をし、皆で分かち合っているからです。その恵みとは、魚や貝、太陽の光、清浄な雨、爽やかな風、食用そして薬になる植物、などです。
 これは、「カオハガンの暮らしの文化」です。島民みんながそれに誇りを持ち、末永く保つように努力をしましょう。

3  そうすると、国の内外から、たくさんの人が、カオハガンの「自然」を楽しみ、「文化」を感じ、学ぶために、カオハガンに来てくれます。

4  そんな人たちのために、カオハガンの宿泊の施設「カオハガン・ハウス」を充実させ、たくさんの島民に働いてもらいます。島民たちに、キルト、木工クラフト、ココナツ・オイル、お塩、ニームのお茶などをつくり、それから、マッサージなどをして、適切な、収入を得てもらいます。

5  これからは、世界中で、このような、「自然」と、「地元の文化」を守ることが大切になってきます。カオハガンに、そのモデルとなるような場所(コミュニティ)をつくります。
そんな場所「カオハガン」に、世界中から人々がやってきて、交流をする。そんな、世界の平和に貢献するような、「カオハガン」にしましょう。
 

 以上のような目標に向かって、私たちは、これからも、努力をしてまいります。皆様の、引き続きの暖かいご支援を、心より期待をしております。

 後継をしていただくエラミル嘉恵さん、杉浦佑子さんは、島の男性と結ばれ、現在、子育てをされております。これからの子どもたちが、幸せに育ち、暮らせる、大きな自然に包まれ、皆が協力し合う場所としても、カオハガンを育てて行きたいと考えています。
 東田充弘さんは、島の女性と結婚され、もうすでに20年以上が経過しています。セブ島在住です。

 私、崎山克彦は、今まで通り、カオハガン島に暮らし、島民たちと同じように、自然と共に、ゆっくりと過ごしてまいります。これからもご交際をよろしくお願いいたします。

 ありがとうございます。
                  2017年8月3日

                   崎山 克彦