カオハガン島の概要

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島で、ほんとうの自分にかえってほしい

今から30年ほど前、崎山克彦は、南の海に浮かんでいた小さな島を買いました。
崎山は幼いころから海が大好きで、その海のかなたにある国々、そこに暮らしている人々にいつも惹かれていました。そして、偶然、夢のような美しい南の島に出会うことができ、そこで暮らすようになりました。神の采配としか思えない、うれしい出会いだったと言います。
豊かな海洋の自然に包まれて、その恵みをいただき、必要以上の量を採らず、それを皆で分かち合う。ゆったりと自然の時間に身を任せながら、その日を満ち足りて暮らす。そんな「何もなくて豊かな」日々を、崎山は島民たちと一緒になって過ごしてきました。
そんな暮らしに「今、私たちが学ぶことがたくさんある」と、崎山は強く感じていました。
今までにたくさんの方々がカオハガン島を訪れ、穏やかな風に吹かれて、ゆったりと楽しい日々を過ごしてくれました。あなたにも、ぜひカオハガンに来ていただいて、とにかく楽しんでいただき、そしてほんとうの自分を取り戻し、これからの暮らしについて考えてもらいたいと私たちは願っています。
島でお会いできるのを、心から楽しみにしています。

「珊瑚の環」の上にできた島

南の海に、火山が隆起してできたひとつの島がありました。その島の周囲を取り巻くように、水面より少し下のところに珊瑚が育っていました。

長い地質学的な時間の経過の中で、その火山島はゆっくりと海中に沈んでいきます。太陽の光がないと生きていけない珊瑚は、島が沈みはじめると、光を求めて少しずつ真上に向かって成長します。そして、島が完全に海中に姿を消してしまったあとも、元の位置に、輪のようになって残っているのです。それが、珊瑚でできた大きな環、「環礁」です。

濃い、群青色の海原に、その浅い珊瑚の環に波があたって白く砕け、白い真珠のネックレスのように連なって見える「環礁」は、自然が地球上に創った最も美しい造形のひとつのように感じます。

明るい、澄み切った浅い珊瑚礁の海には、たくさんの、魚、貝、イソギンチャクなどの海洋生物が群れています。

特に、フィリピン、インドネシア、ソロモン郡島を結んだ三角形に囲まれた熱帯の珊瑚礁は、世界で最も生物の種類の多いところなのです。多様な生物たちが助け合いながら暮らしています。

そして、「環礁」の環の一部に、砕けた珊瑚のかけらなどが打ち寄せられてたまり、海面に露出します。その部分が島になるのです。流れ着いたココ椰子などが芽を吹いて、生長し、そこに人々の暮らしがはじまります。

カオハガン島は、北緯十一度。フィリピン共和国のセブ島とボホール島の間に位置する、周囲が百キロ以上もある「オランゴ環礁」の輪の上に、このようにしてできた七つの島のひとつなのです。

面積は約五万平方メートル、ほぼ東西に、長さが三百メートルくらいの小さな細長い島です。2024年現在、約700人の島民が暮らしています。