Rowena(ロウェーナ)25歳
ロウェーナは、カオハガンキルトの先生として、キルターたちを代表する存在のマティアの娘。彼女は小学6年生のときに授業の一環でアップリケを教わって以来、お母さんの作品のお手伝いを少しずつ始めるようになりました。
ハイスクールに通うようになり、魚のモチーフをランチマットサイズにアップリケし、刺繍をして、キルティングするという作業ができるように。
ハイスクールの生徒たちをサポートするという企画でカオハガンハウスで販売を始めました。ロウェーナの作品は飛ぶように売れたそうです。
「創る作業は地道だけど、作品が売れると嬉しい」そんな風に語ってくれたロウェーナ。
母マティアも作品を創るとすぐに売れてしまうという人気キルター。マティアはどんな作品が買い手の心を打つかということを熟知しており、色使いやデザイン、細かい配慮を欠かしません。
マティアの娘たちは5人いて、みんなそれぞれのかたちでマティアのキルトをお手伝いすることで家族を支えてきました。その中でもマティアが「この子がわたしの後継者よ」と紹介してくれたのがロウェーナでした。 ロウェーナは照れたように笑い「お母さんとカオハガンキルトのためにカオハガンに住み続けるの」とぽつりとこぼし、母の真似をするようにして黙々とアップリケを続けました。
コロナ禍でボホール島に住むパートナーとは離れ離れで暮らし、3歳になる息子を育てながら暮らすロウェーナ。パートナーと一緒に暮らしたいという気持ちはあるだろうけど、彼女が語ったカオハガンに住んで両親を支えたいという気持ちは本気のようです。母マティアの背中を見て、カオハガンキルトを引っ張っていく存在になる、そんなロウェーナの姿が楽しみでなりません。