大型台風による被害に対する支援のご報告《2022年9月終了》

大型台風による被害に対する支援のご報告《2022年9月終了》

2021年12月16日の夜、セブ地方を最低気圧915hPa、最大瞬間風速75mの大型台風が襲いました。
全体で、4,341,228人が被災、1,130,115の家屋が被害を受けたと言われています。
カオハガン島は、幸い人的な被害はありませんでしたが、26軒の家が全壊、7軒の家が海に流され、9割以上の家と船が大きな被害を受けてしまいました。
また、多くの大きな木々が根こそぎ倒れたり、途中から折れてしまったりした上、屋根などが飛び、道をふさいでしまっていました。

台風直撃後、都市部も倒れた木々や電柱、飛んできた屋根などで道がふさがっていたうえ、停電、断水、電波障害で都市機能は崩壊、多くの人がパニックに陥りました。
特に、飲料水は、停電と断水により、入手が困難になり、何時間も並ばないと手に入れられない状況になりました。

カオハガン島では、島内のお店で台風前に購入して販売していた飲料水は2日目で底を尽き、お米も多くが濡れてしまっていました。 そこで、カオハガンハウスでは村長と協働し、政府関係者や知り合いをあたり、飲料水と食料、倒れた木々を処理するためのチェーンソーの確保にまずは乗り出しました。

台風直後の島の様子はこちらをご覧くださいませ。

カオハガンハウスで行った緊急支援の内容

・被災直後からマクタン島のQQ English様から継続的にいただけるようになった飲料水の支給(カオハガンハウスでは運搬のためのガソリン代等を支給)
・QQ English様からいただいたお米500㎏の支給
・家を丸ごと海に流されてしまった島民たちへの古着の支給(以前お客様からいただいていた古着に追加して、マクタン島で古着と新品の下着を購入しました)
・下痢や嘔吐など、島民の緊急事態に備えた薬、高血圧など継続して飲む必要のある薬の支給
・カオハガンハウスの奨学生アルシェルがレイテ島から帰ってきてくれて、破傷風の注射など、島民の健康管理を担ってくれました
・壊れた家をシェルターにするためのビニールシートの配布(希望する家庭を一軒ずつ回り、家の大きさに合わせた長さを配布しました)
・QQ English様にお借りしたチェーンソーと義援金で購入したチェーンソーで倒れてしまった木々の処理を行いました
・DAREDEMO HEROから缶詰、麺類、ミロ、お菓子を分けていただき、すべての家庭に配布しました
・飲料水や食料を確保したり、他団体からの支援を取りに行くためのガソリンの支給
・携帯電話や懐中電灯の充電のための電力の供給

私たちの義援金の呼びかけに、ほんとうにたくさんの方々が応えてくださり、島民の命にかかわるような緊急事態を早期に脱し、現在も継続して必要な人に必要な支援を届けることができています。また、オンラインコミュニティの収益も支援に活用させていただきました。

改めまして、心からの御礼を申し上げます。

皆様からのご協力の元、緊急事態を脱することができてからは、政府や他の団体から届く支援の様子をうかがいながら、島民たちのニーズをくみ取り、継続的な支援を実施しております。

・台風や低気圧が近づき、漁に行けなくなってしまった際の豆のスープの炊き出し
・元カオハガンハウスのマネージャー坂田さんからいただいたランプとランプの燃料となるガスの支給。その後も義援金でガスを購入し、支給しています
・高校生への文房具の支給
・小学生への鉛筆(ジャパン・デンタルミッションからいただきました)の支給
・カオハガン島のオンラインコミュニティ(https://community.camp-fire.jp/projects/view/338306)の皆様が送ってくださった日用品や文房具を配布しました。数に限りがあったため、ビンゴ大会を開催しました
・別団体から支給を受けた家庭、自力で修繕ができた家庭を除いたすべての家庭に屋根材を2枚ずつ支給しました
・飲料水や支援を受け取りに行く際のガソリンの支給、コロナ以前から実施している村の環境整備のための支援、珊瑚礁保護区の保護、島民の医療へのサポート、奨学金制度等は現在も継続しています
・島民が漁に行くための小舟を2隻製作し、村に寄付しました。村では、管理者を指名し、みんなが使えるように管理しています

コロナと台風で観光業が大きな打撃を受けてしまったため、島民が安定した収入を得られるよう、漁の支援やカオハガンキルトの継続、カオハガンハウスの早期復興のための準備を進めております。
コロナの期間にカオハガンハウスに仲間入りしていた「ハヤハイ号」。
なんと、台風で行方不明になってしまっていたのですが、無事に発見することができ、修理して船出をすることができました。
カオハガンハウスの再出発を象徴しているような再生の様子、進水式の様子をこちらからご覧ください。

また、セブ日本人会様、DAREDEMO HERO様のご協力の元、カオハガン島の村長と一緒に支援が届いていない他の離島への支援物資の支給もお手伝いしています。

台風直撃直後、島民への緊急支援をするにも、島民全員が被災していたため、人員が足りない状態でした。
そんな中、私たちの活動を快く手伝ってくれた島民たちがいます。
彼らについてまとめた動画も是非ご覧ください

被災から5か月経った時点での島の変化を動画にまとめました。

台風直撃から8か月が経ち、皆様のおかげで日常を取り戻すことができつつあります。
今回の台風の体験を、私たちの視点から振り返ってみました。

2022年9月に、台風被害に対する緊急支援を終了いたしました。
ご支援くださった皆様、声援を送ってくださった皆様、温かく見守っていてくださった皆様、本当にありがとうございました。