自然と共に生きる暮らし

b-2カオハガンの島民たちは、そんなカオハガンの自然から、たくさんの恵みを直接にいただいて暮らしてきました。そして、そのいただいた恵みに感謝をし、その恵みを、皆で分け合って暮らしているのです。
島民たちは毎日潮の引いた海にバケツをもって出て、その日に食べる分の、小魚や貝を採って暮らしています。
カオハガンの子どもたちは小さなときから、もっと小さな弟や妹たちの世話をします。親の掃除や料理を手伝ったり、少し大きくなると、船を操縦したり、修理したり、作ったりもしてしまいます。家も、自分で建ててしまいます。
簡単な病気も、草木を煎じたりして治します。
もう15歳くらいになると、自分が一生を生きてゆくのに必要な暮らしの技術を、すべて身につけてしまうのです。「自然からの恵みをいただいて、暮らしていく術」を、身に着けてしまうのです。
そして、その日その日をあせらずに、ゆっくりゆっくりと暮らしていきます。明日のことなどは考えずに、一生を幸せに終えるのです。

私が島に来た25年前は、島では現金がほとんど使われておりませんでした。しかし、いろいろと情報が入ってくるようになり、島民たちのモノに対する欲望も少しずつ膨らんできて、ほんのわずかですが現金が必要になってきたようです。そのために、今までの自然と共にある暮らしを変えてしまわないような、島民たちに無理のかからない、良い現金収入の方法を考えようと、私たちは宿泊の施設や、キルトつくりをはじめ、そこで島民たちが働き始めました。
数年前に調査をしたら、島民一家族、7、8人の家族ですが、その一ヶ月の平均の現金の収入が、日本円で9千円くらいになっていました。「いやあ。増えたなあ!」 と私は思ったのですが、国連などの設けている基準によると、この数字は、世界の最貧国の半分以下の収入なのだそうです。驚いてしまいました。
現金の収入から見れば、世界でもっとも貧しい国よりさらに貧しい、カオハガンの人たちが、どうして、みんな幸せそうに暮らしているのか。
その答えが、きっと、この「自然と共にある暮らし」なのですね。

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